裸の王様 2017 1 9 Coming-of-Age Day

 今日は、仮想通貨のひとつであるビットコインについて書きましょう。
仮想通貨を考えることで、通貨とは何かということを考える材料になります。
 よく勘違いされるのは、
ビットコインは電子マネーではないのかということです。
 答えは、電子マネーではありません。
電子マネーの場合は、電子的に存在する「マネー」とは言っても、
電子的な表示は、円表示です。
 今のところ、ビットコインで買い物ができる店は、あまりありませんが、
ビットコインの場合は、単位がBTCとなり、
買い物をする時には、0.01BTCとか、2BTCという表示になるでしょう。
 よく言われるのが、
ビットコインは、金(Gold)と似ているということです。
「デジタル・ゴールド」と言われることがあります。
 ともに、中央銀行が管理していなくて、
埋蔵量(発行枚数の限度)が決められているという点です。
 たとえば、金の価値が、1g4500円とすると、
セーターの値段が、1g、
おしゃれなセーターは、2g、
ブランド物のセーターは、5gという表示になります。
 なんだか、大昔に戻ったような気分で、
どうも、すっきりしません。
 まだまだ、たとえ話があります。
ビットコインは、地域通貨に似ているかもしれません。
 たとえば、A市が発行する地域通貨で考えてみると、
これも、発行枚数に上限があって、中央銀行はありません。
もしかすると、A市が「中央銀行」かもしれません。
 缶コーヒーが、1A、
ビールが、2A、
クッキーが、3Aということになります。
 なんだか、金と同じような話になりました。
これでは、あまりメリットを感じないかもしれません。
 ここまで書いたことを見てみると、
仮想通貨に魅力を感じないかもしれません。
 しかし、メリットはあるのです。
それは、手数料を徴収されないということです。
 たとえば、お店で、980円の商品を買って、
クレジットカードで支払った場合には、
カード会社は、手数料を抜いて、お店に入金することになります。
お店としては、980円満額を受け取るわけではありません。
だから、薄利多売の店舗では、クレジットカードの利用を嫌がる店があるのです。
 ところで、遠方の友人から、390円を送金してほしいと言われたら、どうしますか。
友人の銀行は、地方銀行で、その地域にしかないという銀行です。
 今、銀行の送金手数料は高いので、
390円を送金するのは、気が進まないかもしれません。
 しかし、ビットコインは、手数料がかからないので、
このような少額の送金には、魅力を感じるかもしれません。
 さて、ビットコインにも問題があります。
最近のニュースでは、ビットコインの価値が、
1BTCを円換算すると、15万円程度に値上がりしたが、
急に暴落して、11万円程度になってしまったということです。
 こうなると、ビットコインは、株式に似ているかもしれません。
缶コーヒーが、1株、
ビールが、2株、
クッキーが、3株ということになります。
 のんびりと、缶コーヒーを飲んでいる気分ではありません。
これでは、通貨としては安心感がありません。
 それでも、未来においては、仮想通貨が広まるかもしれません。
リーマン・ショックの時は、金融危機を回避するために、
アメリカの中央銀行であるFRBは、無尽蔵にドルを発行しました。
基本的に、中央銀行は、いくらでも紙幣を発行できます。
 紙幣と言っても、紙を印刷するだけなので、
1万円札の製造コストは、「大量生産」するので、20円程度だと言われています。
 本来は、20円の価値しかない「紙」を、
みんな、1万円の価値があると信じているのが、通貨と言えるでしょう。
 みんなが信じなくなると、
1万円札が、「俺は、1万円の価値がある」と主張しても、
実は、「裸の王様」になっていると言えるかもしれません。

























































































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